出版社内容情報
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内容説明
誰にでもやがて訪れる死。日本人は死をいかに考え、死者をどのように葬ってきたのか。葬式・墓・慰霊をキーワードに、各地の多様な習俗、弔い方や、死生観をたどる。死の歴史を見つめ直し、死への向きあい方をやさしく語る、葬式の日本史。
目次
1 死と葬儀の歴史と民俗―高野山の安居会講演より(民俗学の考え方;死の歴史;葬送三転考;伝統社会の死と葬送;現代社会の死と葬送;墓と供養の時代差と地域差;宗教の科学;民俗学の霊魂論)
2 慰霊と軍神―言語と文化の翻訳(慰霊と追悼―Memorialを慰霊と翻訳してはならない;軍神の誕生;真珠湾の九軍神)
著者等紹介
新谷尚紀[シンタニタカノリ]
1948年広島県生まれ。1971年早稲田大学第一文学部史学科卒業。1977年同大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得。社会学博士(慶應義塾大学)。現在、国立歴史民俗博物館研究部教授、総合研究大学院大学文化科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Junko Yamamoto
1
日本人の死に対する基本的な考え方がわかった。慰霊と追悼の違いなど。ー2019/01/31
風見鶏
1
レジュメ作成の参考資料に。死は昔からあるけれど、受容の方法は時代を経て変わってきた。死は事実ではなく概念であるという考え方は、人間だけが「死」という言葉を操れるかぎりにおいて真実であろうと思う。ニホンザルの母猿が子猿の死体を腐るまで抱いていたというエピソードは、やはり動物に死が理解できないということも確かなのだろうが、それ以上に個人的には人間が如何に言葉によって感情を操作されているかを思わされた。子猿が死んでもなお抱え歩く傷心の親猿として感動的なエピソードを作ることは猿の擬人化。この創作も葬送なのかな。2013/11/09