出版社内容情報
★読売新聞で紹介されました
2007.9.9 評者:白幡洋三郎氏(日文研教授)
内容説明
徳川二百数十年の幕藩体制を支え、経済・文化にまで影響を与えた参勤交代。膨大な諸藩の史料から例を博捜、道順や行列規模、費用等を解説。制度の成立以前から、窮乏大名の道中状況まで、参勤交代をくまなく知る一冊。
目次
第1 参勤交代制の形成過程と確立(参勤交代の始源と形成過程;参勤交代制の確立)
第2 参勤交代制の構造(将軍と大名・旗本;大名と家中;特殊な参勤交代)
第3 参勤交代の旅行と在府(参勤交代の旅行;江戸勤役と藩邸での生活)
第4 参勤交代の経費と藩財政(参勤交代の費用)
第5 参勤交代制の終焉(享保改革下の参勤交代制改訂;幕末期の参勤交代緩和策への動き;文久二年の参勤交代制の緩和と終末)
著者等紹介
丸山雍成[マルヤマヤスナリ]
1933年熊本県に生まれる。1957年東北大学文学部卒業。九州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中寛一
22
久しぶりに硬い本を読んだ。参勤交代の仕組みも掘り下げてみると、道中だけの支出にとどまらなかったことがよくわかる。また大名だけの出費にとどまらず、献上品を受けた幕府側も大名に対して返礼品もするとなると出費はかさむはずだ。年貢徴収の裏で、検地以降の土地の拡大・農業の進歩による生産増大で豊かになる勢力も出現していることに気づかされた。参勤交代で宿場で迎える人たちの様子も知りたいものだ。2017/12/18
アメヲトコ
7
2007年刊。参勤交代についての概説書。近世の大名についてのみ論じるのではなく、鎌倉・室町・戦国期まで展望していること、朝鮮通信使やオランダ商館長参府をも広義の参勤交代として位置付けている視点が興味深いです。交通史の専門家による執筆なので交代の旅行に関する記述も詳しい。ただし文章は無味乾燥そのものなのでなかなかに眠気も誘います。2020/04/22