内容説明
桶狭間の戦いで今川義元に勝利し日本史の表舞台に登場した信長。姉川の戦い、長篠の戦いと怒涛の進撃を続け、天下布武の道を歩む。その戦略とはいかなるものか。知られざる側面にも光をあて、実像を鮮やかに描き出す。
目次
信長と統一戦争 プロローグ
1 尾張統一から上洛まで
2 元亀年間の苦闘と四方への発展
3 「天下人」の戦い
4 天下統一の挫折
未完に終わった天下統一 エピローグ
著者等紹介
谷口克広[タニグチカツヒロ]
1943年北海道室蘭市に生れる。1966年横浜国立大学教育学部卒業。東京都内の中学校教諭を経て現在、戦国史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
孤独な読書人
12
信長の天下統一への動きを概観する。谷口氏は他の著作でも信長関連のものがあり本書はどちらかというと年代順にざっと信長の動きを知りたい人向け。手取川の戦いなど実態のわかっていない合戦については素直にわかっていないと表明する点は著者の学者としての姿勢伺わせる。2018/12/19
MUNEKAZ
5
信長の戦歴を紹介した一冊。軍事的に突っ込んだ話をしているわけではないが、平易にまとめられており読みやすい。力攻めを好み、スピードを重視したのが、信長の用兵の特徴というのも面白い。個人的には元亀の争乱の際、四方を敵に囲まれながらも京から近江を経て美濃に至るラインを維持し続けたところに信長の凄みを感じる。他の天下人のように「本国に戻り、態勢を立て直す」ことをせず、畿内でのプレゼンスを保ち続けたのは、自身の外聞を気にする信長らしい戦い方だと思う。2015/05/24
河童
4
我々、昨今のイスラム原理主義者の残酷な首切りを忌むべきものとして取り扱いますが、戦国時代の日本では、あたりまえのように、それも織田信長の時代になるとかなり大規模に、斬首、磔、敵が籠城した城に火をつけて焼き殺す、そんな虐殺が罷り通っていたようです。しかも女性や子供までも容赦なかったとは。。。天下統一というレベルになると、家督の為の争いとは残忍さの度合いが違う、そんな印象をいだきました。もっとも全ての戦いがそうだったわけではなかったようですが。ちなみに6月21日は本能寺の変で信長が死んだ日でした。2018/06/21
鐵太郎
2
多くの信長本をいろいろと読んでいますので、特に目新しい内容もないのですが、やはり谷口さんは秀逸。信長の生涯をきちっとまとめ、風説や俗説に惑わないあり得べき信長像を作り上げます。さすが。信長についてできる限り「正しい」知識を得たいのなら、さまざまな俗説を楽しんでもかまいませんが、まずこの本を手にとってほしい。刊行されて8年たっていますが、いまだ色褪せていません。2014/10/19
3150
1
信長公も一人の戦国武将であって、苦労して領地を拡大していったんだと実感した。2014/06/05