内容説明
近代社会でも深く根付いていた堕胎。しかし帝国主義段階において徐々に消滅し、人間の存在する権利が保証されていく。背景には何があったのか。生と性に光をあて、消えていった“いのち”を描き、近代日本の現実を抉る。
目次
生まれなかったいのち―プロローグ
胎児といのちへの視線
堕胎の社会経済史
堕胎手術の社会伝承史
堕胎罪をめぐる女と男
いのちの近代
二種類のいのちと人権―エピローグ
著者等紹介
岩田重則[イワタシゲノリ]
1961年、静岡県に生まれる。現在、東京学芸大学教授(民俗学・歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バッシー
2
前近代から続いていた認識が1920年代から変わっていく。記録にも残らなかったいのちが膨大な数に上ると思うと。2023/03/14
元気!
2
明治期における堕胎、出産制度の歴史を分析していたが、統計的な情報の提示や資料整理に多くの紙片が割かれておりやや読みにくかった。2022/01/10
らむだ
1
cf.2013/07/05
石ころ
0
堕胎について。堕胎のやり方の説明がなかなか恐ろしい。無責任であればあるほど責任から遠く逃れられる男たち…。大学図書館にて。2015/12/17
てくてく
0
堕胎という行為が犯罪とみなされるようになった明治以降の堕胎認識、誰がどういう理由で堕胎を行ったかを紹介。男性側は無責任であればあるだけ罪に問われないというのは現在も同じでやるせない。2013/05/12