• ポイントキャンペーン

歴史文化ライブラリー
銃後の社会史―戦死者と遺族

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 227p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642056038
  • NDC分類 369.37
  • Cコード C0320

内容説明

戦死した兵士の家族は、一家の働き手を奪われる理不尽さをどう受け入れたのか。遺族への扶助料や未亡人への仕事斡旋など、国家が目指したシステムとしての「遺族」の形を検証。社会は戦争をどう支えたのかに鋭く迫る。

目次

「一つの花」をめぐって―プロローグ
遺族になるまで
遺族となって―その生活実態
“名誉の遺族”という名の監視体制
敗戦直後~占領期の遺族たち
遺族と社会、遺族と国家―エピローグ

著者等紹介

一ノ瀬俊也[イチノセトシヤ]
1971年、福岡県に生まれる。1998年、九州大学大学院比較社会文化研究科博士後期課程中退。現在、国立歴史民俗博物館助手、博士(比較社会文化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

更紗蝦

19
戦死者遺族に対して行われた生活援護政策(恩給法による扶助や、未亡人への仕事斡旋など)を検証し、どのようにして遺族を「慈愛による支配」という形で“厚遇”したり”監視”したりして「あるべき遺族」の型をおしつけ、また、戦後は粗略に扱って忘却してきたかを明らかにした本です。遺族への補償は「前線兵士の士気の維持」を目的にしているに過ぎないため、戦争が終結すれば遺族は「戦争犯罪人」のように扱われることになります。国家の無責任ぶりと、体制の維持に貢献した一般人ひとりひとりの責任は、決して忘れてはならないと思いました。2018/05/07

Toska

11
日本人は戦没者に深い同情と共感を寄せてきた一方、その遺族を顧みることは少なかった。そうしたギャップの解消を試みる労作。改めて、遺族たちの苦難を思い知らされる。大切な家族に死なれた痛苦はもとより、働き手を失ったことによる物質的な困窮、公助を恥と見る風潮(公的扶助の拒否が美談として扱われた)、恩給の受給資格などをめぐる紛争、未亡人に対する性的な眼差しと母子家庭差別…当時の公的な戦死者称揚は、曲がりなりにもこれらの苦しみを覆い隠す役割を果たしていたが、戦後はそれすら失われた。2023/07/13

Degawa

3
国家が市民を社会生活から引きはがし、国家への奉仕と場合よっては死すら強制する際に、どうやってそれを受容させるか、そして不幸にも死んでしまった兵士の家族をどう処遇し、次代の兵士を社会から供給してもらうかという課題に対して戦前の日本政府がどういう手段を用いてきたかということを解説している。 戦場での苦闘や空襲の恐ろしさなどの「戦争体験」を記した本は多くあるが、この手のトピックの本は初めて読むので興味深かった。2007/12/09

小出享一

3
何故、日本遺族会が補償や総理大臣や国務大臣及び日本政府に靖国神社参拝を望むのか?それは国のために戦ったものの、その対応が杜撰だったため、その見返りとして、証が欲しいから。戦時中は戦意高揚のため、戦死者の遺族の対応は懇ろだったが、戦後になると、その対応はGHQの指令のために一変する。戦死者遺族が戦中・戦後いかに大変な生活を余儀なくされたかがわかった。2014/06/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/148341
  • ご注意事項