出版社内容情報
★読売新聞 2009.4.5 読書面で紹介されました(評者:本郷和人氏(日本中世史家))!
毎日新聞 2009.5.17 読書面で紹介されました(評者:五味文彦氏(放送大学教授))!
内容説明
室町時代の能作者。少年時より才に秀で、観世大夫家を継いだ世阿弥は、現代に続く能楽を大成した。その生涯は足利義満・義持・義教の三代に及ぶ波瀾に富むもので、晩年の佐渡配流の理由や禅宗信仰の内実などには未だ定説がない。「夢幻能」と芸論に「不二思想」の影響を見、「秘すれば花」と言い切った独創的世界に迫り、新たな世阿弥像を描く。
目次
第1 世阿弥の初期
第2 世阿弥の中期
第3 世阿弥の後期
第4 世阿弥の作能
第5 世阿弥の芸論
第6 世阿弥と禅
著者等紹介
今泉淑夫[イマイズミヨシオ]
1939年生まれ。1968年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zag2
18
世阿弥図書館本シリーズ9冊目。だんだん速読になってくる…はずだったのですが、今泉先生、中世の禅宗がご専門らしく、その関係の記述が多くてむちゃくちゃ時間がかかってしまった。世阿弥を禅宗の視点から見た著作は初めて読みました。なんだかちょっと博学になった気分です。2021/07/10
v&b
1
四、五の作能と芸論を。資料的に、手元に置くタイプの書籍か2019/02/03
wang
0
能楽を大成した世阿弥の人生に関する書。謎も多く資料も少ない中、人となりを記す。前半では室町将軍家の歴史の分量が多い。将軍に寵愛されて権力を持ち、将軍に疎まれて零落しただけに将軍が何を考えて能役者と接したか記すことは重要なので仕方ないのか。後半は大量の能の話や残した伝書などを列挙してひとつひとつの説明をしていて、素人には何が重要で何が共通なのか読みにくくて仕方なかった。2012/03/03
こんがら童子
0
現時点までの研究史も踏まえた世阿弥の生涯を資料に基づき書かれた本書。最後に筆者の世阿弥の思想的背景を禅の「不二」へ収斂させ、本書を閉じている。そこへの反論はあるが、やはりそう主張するだけの客観的根拠としての資料も挙げており、大変益の多い本であった。2009/08/20
JA1YRS
0
能楽のガイドに最適2009/04/05