感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
8
いやー江川坦庵ってこんなに結構重要な人物だったんだっていうのが素直な感想(そんなこと言ったら仲田センサに怒られちゃいそうだ)。渡辺崋山やら佐久間象山やら中浜万次郎やら教科書で知ってる人が案外雑魚キャラで出てきてびっくり(そりゃ主人公は江川坦庵なんだから当然なんだけど)。改めて思うけど”歴史”はこういう表舞台から消えてしまった人たちも絡んだ、太くて深いものなんだなよね(これまた当然の感想ですが)2013/09/29
wuhujiang
2
再再読くらい?江川坦庵の業績は知られていて品川台場くらいだが、あれは彼の業績のほんの一部に過ぎないだろう。特別に世襲が認められていたとはいえ、本来の代官という職務は地位が低い役職であった。しかし、彼は本来の代官職だけでなく海防に熱心に力を注ぎ、水野政権・阿部政権で軍事・海防専門家として重きをなした。国内部には反対派がおり、外からの情報は限られた中で、あれほど探求心をもち、日本軍事の近代化をはかったことが一部以外に忘れられつつあるのは悲しいことである。ぜひとも今後再び研究が進むのを望む。2020/09/15
ヒコ。
2
江川太郎左衛門英龍、幕末の韮山代官。町人である高島秋帆に洋式砲術を師事し、生涯弟の礼をとる。台場・反射炉の建設を指揮し銃砲を製作、号令を鋭音号令(「回れー右っ」等)に改良し、また奇兵隊・新撰組設立よりずっと早くに農兵設立を建議し幕府陸軍の様式化に尽力する。その一方で、領民からは「江川大明神」と敬愛され、刀商人に身をやつし斎藤弥九郎を従えて市井を見て回り、その姿や面白い顔の自画像を残すというおちゃめさん。歴史上では、これといった事象を行った人ではないが、人物としては大変魅力的な人、これは彼に関する数少ない書2010/10/15