内容説明
神話・伝承、それは古代史に興味をもつ者にとって、もっとも魅力的かつ謎に満ちたテーマの一つである。本書は、神話・伝承の成立基盤をヤマトタケル・神功皇后を素材とし、現実的な歴史の場で考察する。また『日本書紀』所伝の検討から、継体天皇の登場や土師氏の伝承と実態、さらに蝦夷・コホリなども解明。古代神話研究の新生面を拓く労作。
目次
１ 神話と歴史（沼河比売神婚伝承の史的背景；ヤチホコノ神について；ヤマトタケル命の物語り；神功皇后伝説；いわゆる『備前国風土記』逸文の史料性）
２ 歴史と伝承（継体天皇の出身地をめぐる異伝について；振媛の桑梓；土師氏の伝承と実態；コホリの史的性格；『日本書紀』の蝦夷に関する記載）
３ 仏教の受容（郡名寺院について；石川朝臣年足の生涯と仏教；穂積朝臣老の境涯）
