内容説明
多種多様で、かつ大量な私文書の存在は、近世に顕著な特性で、それは都市・農村を問わず、文書の授受を必要とする私的な社会活動が拡大された事実の表現である。しかし、それら多様な近世の私文書に対する古文書学的研究は乏しく、その実現は今後に期待される重要な分野である。本巻には、そのための指針となり礎石となる13篇の論考を収録した。
目次
第1章 農民文書(農家帳簿の利用;信濃における近世初頭の徳政文言について;近世百姓印章の一考察;近世畿内小作料の構造)
第2章 金融・為替文書(家質の研究;徳川時代の為替手形文言に就て;枝手形について;天王寺五兵衛の大名貸と鴻池道億;木地屋銀札について)
第3章 商取引文書(送り状と手板帳;商業帳簿の分析)
第4章 商業帳簿(村方商人石本家の帳簿組織;三井江戸両替店史料補遺)
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