内容説明
六〇年安保を契機に、自民党政治は大きく転換し、経済成長本位の政治が定着する。社会の側でも企業社会が形成され、働き方、教育など現代的あり方が現出した。成長と競争の明暗が織りなす高度成長の時代を読み解く。
目次
高度成長と企業社会
1 企業主義的統合と労働運動
2 企業社会の成立と教育の競争構造
3 日本型社会保障の構造―その形成と転換
4 革新自治体
5 日米安保体制と沖縄
著者等紹介
渡辺治[ワタナベオサム]
1947年東京都生まれ。1972年東京大学法学部卒業。1979年東京大学社会科学研究所助教授を経て現在、一橋大学大学院社会学研究科教授
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感想・レビュー
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Takao
4
2004年8月10日発行(初版)。1960年の安保反対闘争から、1980年代末の竹下内閣までの約30年を対象とする。総論の「高度成長と企業社会」は渡辺治が、各論では木下武男が労働運動、西本勝美が教育、後藤道夫が社会保障、進藤兵が革新自治体、新崎盛暉が安保・沖縄を執筆している。知ってるつもりだったこの時代だが、学ぶことの多い一冊であった。進藤が論文の末尾で紹介している、美濃部都知事が府中療育センターを訪ねた時の障害者の言葉、同センターをその20年後に視察した石原慎太郎都知事の暴言との対比が心に残った。2016/10/05