内容説明
明治維新によって、日本は近代国家へと変貌してゆく。新政権の実態や、廃藩置県・徴兵令や西南戦争など、変革期の政治・社会の動きを具体的に探る。また、天皇の役割、岩倉使節団、博覧会から文明開化の時代を描く。
目次
明治維新と文明開化
1 明治維新と光と影
2 巡幸と祝祭日
3 岩倉使節団と信仰の自由
4 文明開化の時代
5 博覧会時代の開幕
6 士族反乱と西郷伝説
著者等紹介
松尾正人[マツオマサヒト]
1948年東京都生まれ。1976年中央大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学教授
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感想・レビュー
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AKa
3
前半は概説、後半は各論というスタイルで、後者の中の山崎論文が興味深かった。岩倉使節団に対し、欧米各国がキリスト教弾圧を非難し、結果的に五榜の掲示のうち禁教に関するものが下されたことは有名であろうが、例えば自称在米日本人からは加藤弘之の民選議院時期尚早論にも似た「教育が信仰を生み出す」という投書であったり、あるいは来日経験のある人物が宗教戦争の懸念を呈するなど、実は米国のメディアの中には慎重な意見もあったという。また中野目論文にある『明六雑誌』と他の新聞との関係は個人的興味と関連が深く、今後の参考にしたい。2019/05/01