有斐閣選書<br> 大都会の誕生―出来事の歴史像を読む

有斐閣選書
大都会の誕生―出来事の歴史像を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 251p
  • 商品コード 9784641180321
  • NDC分類 361.78
  • Cコード C1336

内容説明

世界史上、貿易と金融のネットワークの中心地、世界経済のメトロポリスへと成長していった国際都市ロンドン。その華やかな消費文化の陰には、貧民が吹き溜まり、巨大なスラムが形成されていく。ブルヴァールと呼ばれる大通りを中心に、カフェやレストラン、パッサージュやバザール、見世物や劇場と、多彩な文化を生み出していくパリの都市空間。その盛り場の街頭は、同時に民衆騒乱の舞台ともなった。都市型の生活様式は、どのように歴史的に形成されてきたのか。この魅力的な問いに、気鋭の歴史家が豊富な事実をふまえて活写する。

目次

世界にひらく窓―帝国の首都ロンドンの生活文化(ミンチン横丁の賑わい―ジェントルマン文化と「舶来品」;コーヒーハウスの時代―「商業革命」と都市型文化の成立;「首都の空気は自由にする」;「ロンドンへのあこがれ」の増幅装置―「社交季節」と定期馬車)
「世界の工場」の玄関口―工業化とロンドン民衆の生活(ディケンズと工業化―なぜ「ロンドン」なのか;イースト・エンド・スラムの成立;ファッション・センターとしてのロンドン;「苦汗労働」の成立;針子と港湾労働者―ロンドンの二大カジュアル・ワーク;「苦汗労働」の機械化?―ミシンの導入;工業化のもたらしたもの)
盛り場の形成―パリのブルヴァールに集まる人びと(ブルヴァールにおける出来事;盛り場の移動;新しい盛り場の舞台装置;民衆の盛り場;都市空間の分極化)
民衆騒乱の舞台(カーニヴァルの民衆蜂起;抑圧の解体―ブルヴァールの「祝祭」;民衆のパロディー―既存秩序の流動化;路上の権利;境界領域の再現;盛り場と騒乱の舞台)
世界経済のメトロポリス―なぜロンドン史か
民衆史への新しい視点―民衆の生活圏と都市空間の意味