内容説明
二十世紀後半以降に急速に進んだ、「グローバリゼーション」と呼ばれる地球的規模の相互依存。今や国内領域と国外領域、政治と経済と文化を、切り離して論ずることはできない。中世と近代の社会的要素が混在した十七世紀の社会と、多くの類似点をもつ現代社会が形成する、入れ子状のネットワークと、その境界のゆらぎが生み出す新たな社会の可能性を、近代以降の歴史の中で問い直す。
目次
序章 社会の地殻変動としてのグローバリゼーション
第1章 主権国家とウェストファリア体制の誕生
第2章 国際化とその前史
第3章 国際化から超国際化へ
第4章 機能分化の変容
第5章 グローバル社会の構造と理論
終章 グローバリゼーションの行方
著者等紹介
正村俊之[マサムラトシユキ]
1953年、東京都に生まれる。1983年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。関西学院大学社会学部助教授を経て、東北大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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抹茶ケーキ
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グローバリゼーションについてかなり長いタイムスパンで記述。具体的には16世紀くらいから。他の本だと今の話とか近年の話しかしないので、そういう全体像が理解できる本は貴重だと思った。ただ、ルーマンを結構使ってたけど、何か違うんじゃないかなって思うとこがいくつかあった。2016/05/19
kenken
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網羅的なイントロ的講義をするために。第4章でルーマンの機能分化で変容を説明しようとするところがいかにも社会学者(だが一番しっくりこない)。ところで「アラブの春」で垣間見られた当たり前のナショナリズムや昨今の領土問題を考えるためには、現代のグローバル化に対して主権国家が存続、衰退あるいは変容しているのか、という問いの立て方ではどうもうまく説明できないような気がする。困ったな。2012/10/10
void
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【★★★★☆】コンパクトかつ平易に要点が記述されているのでサクッと全体を振り返れる。ウエストファリア体制から現代までという通史の1~3章は特に目新しさはないものの、4章の宗教関連と、著者の持ち味(らしい)「入れ子構造」でのグローバル社会の把握が興味深い。2012/04/29
spikyhair
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★★★★★
ささかま
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わかりやすかった。広くカバーしてるのに、コンパクトでした。2009/11/29