計画的戦争準備・軍需動員・経済統制―続『政府の能力』

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  • サイズ A5判/ページ数 560p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784641163133
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C3033

出版社内容情報

徹底した事実の吟味と実証分析により戦時期の計画経済化が以後の日本の政治・経済に与えた影響と,そこでの政府の能力の評価を根底から問い直す力作。明治維新以来の経済発展は政府主導型であり戦前・戦後を通じて政府が絶大な貢献をしたとする「通念」を再検討する。

内容説明

1930‐40年代の「戦争」(主に日中戦早期)の準備・遂行過程を素材とした「政府の能力」の経済分析。(軍部を含む)政府が企画・実施したとされるさまざまな「計画」「政策」は実体のない「デスクプラン」にすぎず、軍需品の開発から利用に至る調達「現場」などの実態から乖離した。「計画的」に「準備」された「戦争」が有効な「軍需動員」「経済統制」に基づいて実施されたとする「通説」「常識」「通念」に関する冷静・厳密な実証研究。―「計画的戦争準備」「軍需動員」「経済統制」の基礎となり、これらを条件づけた日本「政府の能力」ははなはだ貧弱であった。「有能な政府」が本来持てる「能力」の発揮に失敗したと考えるべき理由は見あたらない。「戦時統制の成功体験が戦後の経済政策・産業政策の成功につながった」とする「通念」は実態から乖離した神話である。

目次

第1部 「通説」「常識」「通念」の呪縛からの解放(導入部:問題の設定、目的と意義、構成と要約;検討の準備;「通念」を支持する読者のための「戦争」に関わる10の基本的Puzzles;「通念」を支持する読者のための「計画的戦争準備」「軍需動員」「経済統制」の実相に関する9つの基本的Puzzles)
第2部 「計画的戦争準備」「軍需動員」「経済統制」の実相(日中戦争前半期にみる「計画的戦争準備」と「軍需動員」の実態;「作戦計画」「戦争計画」「国防方針」;「物資動員計画」「生産力拡充計画(政策)」経済統制(目次)
ケース・スタディ:海軍航空兵器)

著者等紹介

三輪芳朗[ミワヨシロウ]
東京大学大学院経済学研究科教授。1948年愛知県に生まれる。1970年東京大学経済学部卒業。1976年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。信州大学講師、助教授、東京大学経済学部助教授を経て教授。機構改革により1996年より現職。専攻、理論経済学・産業組織論・Law and Economics(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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