内容説明
ユーラシア大陸の東端・日本海から中央アジアまで。古代より諸民族が闊達に交流し、現代にもつながっている生活・文化圏の変遷を、時代と地域を組み合わせた9つの視点から描くユニークな歴史教科書。
目次
北・東北アジア地域の歴史と現代をどのように考えるか
第1部 シベリアの先住民族と環オホーツク海・環日本海交流圏(北・東北アジアの先住民族と環オホーツク海・環日本海交流圏;日本から見た環日本海交流圏)
第2部 沿アムール河・沿ウスリー江交流圏の形成と現代(帝政期極東ロシア地域の諸民族の交流と生活;国境にまたがる民の20世紀―ロシア・ソ連朝鮮人の歩み)
第3部 モンゴルと中央アジアの交流圏の形成と現代(匈奴とモンゴルの交流圏;モンゴル人にとって栄光の時代とは;中央アジア交流圏が示すユーラシア像)
第4部 文化の移動と交流圏とをつなぐリンク(海の神様はどこまで広がったか;間宮林蔵は北の大地で何を見たのか―清朝期の東北地域における「多民族的混交」の現実)
著者等紹介
姫田光義[ヒメタミツヨシ]
中央大学名誉教授。1937年生まれ。1961年、東京教育大学文学部卒業。1967年、東京教育大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻、中国近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawasaki
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「辺境」とされ、「国」と「国」との間にあるとみなされる地域を、むしろ「中心」に据えて考える本。タイトルのつけ方に苦労されてるのだろうとは思う。現代の国境を越える広がる世界(重要だとはされるけれど、なかなかその視点に立つことを実践できない)を改めて示されるとともに、アムール・ウスリー流域などのあまりなじみの薄い地域に触れられ(この地への間宮林蔵の旅は初めて詳しく知った)、興味を刺激する。2015/10/24
dahatake
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ロシア・モンゴル・中央アジア・中国における、人の営みを大雑把に理解できる。 アムール川はあまり注目してなかったが、地理的には重要な場所だった事がよくわかる。そして、この地域に言及してるお話しも少ない気がする。 中華構想ばかりに目が行きがちだが、裏を返せばその中での視点に留まりやすい。 今の大国あるいは業界 Top 企業の陥りやすい罠にも思える。2020/11/28
spanasu
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環オホーツク海・環日本海交流圏の話やロシアの朝鮮人の話は大変興味深かった。ただ、モンゴルについての章は事実の羅列ばかりでつまらなかった。2019/01/29