内容説明
社会学は、医療、福祉、教育などの「臨床」と呼ばれる現場でどう役に立つことができるのか。「臨床」現場で蓄積されてきた理論や実践から何を学びとり、活性化しようとしているのか。「臨床」にこだわる9人の執筆者がアピールする、社会学の新しい試み。
目次
序章 臨床社会学とは何か
第1章 サイコセラピーの臨床社会学
第2章 「存在証明」の臨床社会学
第3章 「自己啓発セミナー」の臨床社会学
第4章 看護に学ぶ臨床社会学
第5章 「問題家族」の臨床社会学
第6章 クラスルームの臨床社会学
第7章 保育政策の臨床社会学―「保育所神話」の形成過程
第8章 政策現場の臨床社会学
第9章 「死ねない時代」の臨床社会学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぺんぎん
0
9章2017/07/13
ひつまぶし
0
かなり昔読もうとしてあまりのつまらなさに挫折した気がする。各章で扱っているテーマは面白くなくはないのだが、何をもって臨床社会学と言っているのか、さっぱり分からない。第5章辺りで社会病理学をマイナーチェンジする生き抜き戦略だったのかなという想念が脳裏をよぎる。臨床社会学のルーツは実はシカゴ学派の都市社会学にあったことが第8章に触れられていて、ここでの議論がようやく腑に落ちる。学説的な整理を最初に持ってきた上で、臨床社会学の今日的展開を模索するものとして、各章にきちんと枠をはめて構成すべきだったのではないか。2022/12/16