感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
マルクス教育学に言及「人間史のドンデン返しにむけて直接そなえるための、次世代の教育については、マルクスは、ほとんどかんがえることがなかったようであるープロレタリア革命は、歴史的必然にほかならないからというのであろうか。それどころか、社会的環境の変革が、理性にもっぱら依存する知的啓蒙を通じて可能であるとする、オーエンのような思想家たちを「空想的社会主義者」とよんだのだった。かれらの空想的たるゆえんは、社会的環境を変革する主体が…プロレタリアートであることに、かれらが気づかなかったところにあるというのだろう」2022/05/15
Takao
2
1978年6月25日発行(初版)。教師を志した大学3年の時、求めたもの。41年を経て読了。保育士国家試験の「教育原理」を落としたため、読んでみた。内容は、エラスムスから始まり、コメニウス、ロック、ルソー、ペスタロッチ、フレーベル、コンドルせ、オーエン、マルクス、ベル、ランカスター、ホレーシ・マン、ヘルバルト、森有礼、と続く。最後は戦前、戦後の日本の教育思想史。概説だが、「合格テキスト」の人名などを丸暗記するよりも勉強になる。書棚に眠っている『エミール』など何冊かの「原典」を読みたい誘惑にかられる。2019/05/15
takashi1982
0
出版が古いから、そうした時代の社会背景もあって、マルクスやクルプスカヤ(レーニンの妻)の教育思想も紹介されている。/とはいえ、近代教育思想をエラスムスあたりにもとめ、以降、それぞれの教育思想家に対して相互の思想的影響を認めながら、それぞれの特色について平易に説明した本だといえる。教育思想史の流れを追いたい人には、ハンディにまとまっていてイイと思う。2010/03/29