援助するということ―社会福祉実践を支える価値規範を問う

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  • サイズ B6判/ページ数 261,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784641076549
  • NDC分類 369
  • Cコード C1036

出版社内容情報

「社会福祉において援助するということ」の意味を根元的に問う理論書。「ノーマライゼーション」「自己決 定」「エンパワーメント」など,援助実践のなかで自明とされてきた価値規範を問い直し,社会福祉基礎構造 改革等現代の社会状況に照らした再点検・再構築に挑む。
「なぜ,私と個人的関係がない人を援助しなければならないのか」。援助の現場にいる人が一度は突きつ けられる援助の本質をめぐるさまざまな問いに,社会福祉学はどう答えるか。伝統的な社会福祉学研究の 枠組みにとらわれない,新しい問題意識からのアプローチを提示する,注目の意欲作。

《主な目次》
序 なぜ援助するのか=岩崎晋也
第1章 社会福祉援助の価値規範――社会と個人の交錯するところ=古川孝順
第2章 なぜ「自立」社会は援助を必要とするのか――援助機能の正当性=岩崎晋也
第3章 援助者は「友人」たりうるのか――援助関係の非対称性=稲沢公一
第4章 誰が「自己決定」するのか――援助者の責任と迷い=児島亜紀子

内容説明

ノーマリゼーション、自立支援、自己決定の尊重やエンパワメントなど、社会福祉実践を支える価値規範は、「社会をどうとらえるか」(社会観)、「人間を人間たらしめている価値とは何か」(人間観)、「あるべき援助とはどのようなものか」(援助観)という問いの中から生み出されてきた。いま、社会福祉基礎構造改革等の中で、価値規範の再点検・再構築が必要とされている。社会福祉学の新しい問題意識・アプローチを提示する注目の意欲作。

目次

第1章 社会福祉援助の価値規範―社会と個人の交錯するところ(古川孝順)(援助活動の社会的基盤;社会福祉の二つの機能―社会的機能と福祉的機能 ほか)
第2章 なぜ「自立」社会は援助を必要とするのか―援助機能の正当性(岩崎晋也)(「自立」を求める社会;「自立」と対立する援助 ほか)
第3章 援助者は「友人」たりうるのか―援助関係の非対称性(稲沢公一)(リッチモンドの提起した問題;ロジャーズとブーバー ほか)
第4章 誰が「自己決定」するのか―援助者の責任と迷い(児島亜紀子)(社会福祉援助領域における各行為主体の関係;“自己決定”が呼び込んだ誤認/駆り立て ほか)

著者等紹介

古川孝順[フルカワコウジュン]
1942年生まれ。日本社会事業大学社会福祉学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。社会福祉学博士。現在、東洋大学社会学部長・教授

岩崎晋也[イワサキシンヤ]
1961年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。東京都立大学大学院社会科学研究科社会福祉学専攻博士課程中退。現在、法政大学現代福祉学部助教授

稲沢公一[イナザワコウイチ]
1960年生まれ。東京大学文学部卒業。東洋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。社会福祉学博士。現在、東洋大学社会学部助教授

児島亜紀子[コジマアキコ]
1961年生まれ。東洋大学社会学部社会福祉学科卒業。東洋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。社会福祉学博士。現在、大阪府立大学社会福祉学部講師
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

24
2002年初版。社会福祉基礎構造改革の中で、援助するという行為に対する価値を考察した内容です。僕にとっては難しかったです。僕の中で印象が強かったのは、児島論文です。自己決定と自己責任の関係について、選択するクライエントが選択しなければ一人前でないクライエントへとずれてしまうという指摘は、とても大切なものだと思いました。僕は援助を受けながらも自立するということはあり得る価値観だと思いますが、逆に援助するということは自立を妨げない、むしろ自立的に生きることと矛盾しないものなのではないかと考えながら読みました。2016/12/19

ぽん

0
社会福祉援助というのを国家(社会)の観点から再考。第4章は「自己決定=自己責任」のテーゼに疑問を呈すなどはっとさせるところもあるが、結論が濁された感じもする。第2章も、「自立」の観点から福祉国家、新自由主義、その後の「第三の道」と続く説明は小気味良いけれど、おわりにの「社会的連帯」の話になると、どうもふわっと感じられる。2021/04/16

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