現代イラクのイスラーム主義運動―革命運動から政権党への軌跡

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現代イラクのイスラーム主義運動―革命運動から政権党への軌跡

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  • サイズ A5判/ページ数 350p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784641049956
  • NDC分類 312.281
  • Cコード C3031

内容説明

イラクでは、2003年の米軍の侵攻によってフセイン・バアス党権威主義体制が崩壊した現在においても、政治的に不安定な状態が続いている。その背景を、イラク戦争後に、政権の中枢に上り詰めたイラク・イスラーム主義運動の歴史的変容過程を分析することによって、明らかにする。本書は、イスラーム主義運動の中でも特に、ダアワ党とイラク・イスラーム革命最高評議会(SCIRI)に焦点を当て、運動の成立からダアワ党が政権の座に就くまでの激動の半世紀を、4つの時代に分けて描き出す。この過程を、関係者へのインタビューや党の機関紙などの一次資料をもとに分析し、イスラーム主義運動が発信してきた「国家」と「ネーション」の枠組みの揺れが、現在の政治的対立の根源にあることを解き明かす。

目次

現代イラクの政治変動とイスラーム主義運動
第1部 イスラーム主義運動の誕生と革命運動(1950~70年代)(イラク国家の形成と変容するシーア派宗教界;イラクにイスラーム国家を樹立せよ―イスラーム主義運動の思想的源流;近代的イスラーム主義組織の形成と革命運動―黎明・革命期ダアワ党の歴史的変遷)
第2部 亡命期のイスラーム主義運動とその分岐(1980年代)(革命運動の失敗と亡命、そして分裂―バーキル・サドル処刑のインパクトを手がかりに;独裁政権を打倒せよ、革命政権を樹立せよ―亡命イスラーム主義運動の新展開;シーア派法学権威への個人的忠誠か、組織化された宗教界との協調か―イデオロギー対立と分裂の思想的正統化をめぐって)
第3部 ディアスポラ期のイスラーム主義運動と国内社会運動の相克(1990年代)(イスラーム主義反体制派からイラク反体制派へ―ディアスポラ期イスラーム主義の調和と相克;革命運動から社会運動へ―サーディク・サドルの国内大衆動員をめぐって)
第4部 国家を運営するイスラーム主義運動(2003年4月~2009年8月)(歴史的背景に裏づけられた政治対立が顕在化するとき―イスラーム主義の議会政治;変容するイラク国家とイスラーム主義)

著者等紹介

山尾大[ヤマオダイ]
1981年滋賀県に生まれる。2005年大阪外国語大学地域文化学部アラビア語学科卒業。2010年京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、日本学術振興会特別研究員を経て、2010年10月から現職。現在、九州大学大学院比較社会文化研究院専任講師。博士(地域研究)。専攻はイラク政治、中東政治、比較政治学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Kenji Suzuya

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イラクにおけるシーア派イスラーム主義運動、特にのちにマリキ首相などを輩出するダアワ党について、成立から政権奪取までを扱う。内容は政権との関係や国外亡命も含む運動そのもののみならず、バーキル・サドルやファドルッラーといった精神的支柱の思想についても、ホメイニーなどと比較しながら論じている。2014/07/28

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