出版社内容情報
高校教師へのインタビューから、世界史の授業で何をどのように教えているかを分析し、歴史はいかに語られるべきかを問う。高校世界史の現場から、歴史学を考える意欲的な試み。
内容説明
世界史はどのように教えられているのか、歴史はいかに語られるべきか、高校教師の声を聞く。
目次
第1章 大学生に対するアンケート調査の分析
第2章 高校教員に対するアンケート調査の分析
第3章 高校教員に対するインタビュー調査の分析その1 なぜ歴史を語るのか
第4章 高校教員に対するインタビュー調査の分析その2 歴史をいかに語るべきか
第5章 因果をいかにたどるか
第6章 いかに他者に接近するか
終章 歴史の語りかた
著者等紹介
小田中直樹[オダナカナオキ]
1963年生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科単位取得退学、博士(経済学、東京大学)。東北大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かんがく
13
大学生にインタビューをし、評判の良かった高校の世界史教諭にインタビュー。横書きな上、地の文が極めて読み辛いが、インタビュー内容は興味深い。歴史の授業における、伝え方や扱う内容など、それぞれの教員の考えがとても参考になる。具体的な授業内容も多く書かれていた。歴史の教員である前に、歴史学者である必要があるなと感じた。2019/05/03
うえ
9
世界システム論と社会史を高校世界史に導入することへの、教員たちへインタビュー等がある。世界システム論では教員の中にはためらいが見てとれ、理由の一つが欧州中心主義であることだという。教員の中には、フランク『リオリエント』は逆にアジア中心史観を強調し過ぎているという指摘も。もちろん最大の理由はわかりにくいからというものだが。社会史に関しては既に授業で「ハーメルンの笛吹き男」や「魔女裁判」をとりあげている教員もいる。こちらはあまり反発はないようだ。ちなみに雑誌『環』(現在は休刊)を生徒に紹介している人も。2020/07/24
ステビア
4
小田中先生すげえええって本。博学だなあ。2014/01/16
のぶひろ
1
生徒たちの興味関心を喚起しようとするには「つなぐこと」と「くらべること」が有効。歴史を聞くことは時系列や因果関係に注目して思考できるようになる。では何を「つな」ぎ「くらべ」ればよいのか。一つは同時代の事象のつながりであり,一つは現代の社会問題との因果関係である。また,事象と背後の因果関係である。2017/04/30