内容説明
南北は我らの同時代人!近世は区別がきびしかった。士農工商、被差別民などの身分秩序、男と女、親と子などの人倫、死と生、善と悪などの信仰や倫理、思考の枠組みまで堅固な区別があった。南北は、「笑い」を武器にこの区別を突破した。微笑、苦笑、哄笑、軽蔑の笑い、黒い笑い…さまざまな笑いを駆使して境界を超え、固定した秩序を転換してみせた道化師南北。現代人にとっても、笑いは有力な武器。南北こそは我らの同時代人。
目次
鶴屋南北の作風と時代
1 『東海道四谷怪談』の時代
2 南北と賎民
3 修業時代
4 道化師南北
5 南北の怪談劇
6 南北の生世話
7 南北はわれらの同時代人
著者等紹介
諏訪春雄[スワハルオ]
1934年生まれ。東京大学大学院博士後期課程修了。専攻、日本文学・日本芸能史。現在、学習院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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