内容説明
日本人なら誰でも知っている伊能忠敬。五〇歳を過ぎてから地球一周分を歩き、はじめて国土を実測して日本地図をつくった。中高年の星、ウォーキングの元祖、史上最大の旅行家でもある。伊能忠敬は、決して天才ではなく、若いころから学を好み、世のため人のためにと心がけ、まじめに実直に根気よく測量し、地図をつくった努力の人である。効率優先の世相への警鐘として伊能忠敬に学ぶところは大きい。
目次
1 伊能忠敬の人生(伊能忠敬の生まれ;商人としての伊能忠敬 ほか)
2 10次にわたる全国測量(50歳を越えてからの測量行;測量の動機と外国の脅威 ほか)
3 地図・測量史における伊能図の位置(江戸時代の測量技術と伊能測量の意義;日本図の系譜 ほか)
4 伊能忠敬に学ぶ(日本人の誰もが知っている伊能忠敬;伊能忠敬に対するさまざまな評価 ほか)
著者等紹介
星埜由尚[ホシノヨシヒサ]
1946年生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。専攻、地理学・地図学。現在、社団法人日本測量協会副会長・日本国際地図学会会長・伊能忠敬研究会代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズツキ
4
知っておくべき日本人ベスト10にランクインした伊能忠敬の人間関係を中心に偉業達成までの足取りを追います。2014/06/20
解体工事
2
小学校の授業で誰もが習う伊能忠敬。忠敬の愚直なまでの全国測量にかけた情熱とその背景を著した本。もともと忠敬が全国測量を始めたきっかけは、地球の形・大きさを知りたいと思ったからである。それには子午線の長さを測る必要がある。さらにそれには緯度1度の長さを正確に測れば、子午線の長さを求めることができる。このような過程を経て55歳の時、測量隊や幕府の手助けもあり、1800〜1816年の17年間の全国測量へ赴いた。天文学や暦学などの勉強熱心さと忍耐力、地図を作るためなら自分の資産をも費やす経済力に脅かされる。2018/09/09
坂田 哲朗
0
著者は地理学、地図学方面の方なのでそちの話題も多く興味が尽きなかった。文学的脚色ではなく伊能忠敬の人となりが見えてきて面白い。人生二山、まだまだこれから、いやいやこれからが本当の人生と勇気を貰った。愚直に歩めばジャンダルムも越えられる!2012/08/28
ウドのコーヒー
0
伊能忠敬のすごさが一般書として明らかにされており、日本史の専門家でなくとも楽しめる一書。2020/11/14
アキヒコ/悠音
0
測量に使った道具とかも出てきて面白かったけど、いまいち使用イメージが分からない。 結婚もたくさん、内縁の妻もたくさんいた人だったんだな。 日本史リブレットの人シリーズ。初めて読んだけど、わりと伝記的な感じがした。主観が混ざってるというか。2018/07/22