内容説明
毎月のように新しいデザインと機能をもった情報機器が登場し、それらを使うことで、私たちの生活も日々大きく変わりつつある。無数の情報の洪水によって押し流されそうな毎日ですが、はたして、本当に大事な情報をちゃんと獲得できているのかどうか。情報化の進展によって、私たちの住む社会が良い方向に進むのか、それとも、権力的な情報統制が進んで、息苦しい暮らしへと転落するのか、近代日本の情報化の歴史を振り返ることによって、考える。
目次
情報革命は産業革命に匹敵する変化か?
1 途上国日本の情報化戦略
2 国家権力による情報操作と失敗
3 国家・企業情報の独占と公開
情報技術を生かすも殺すも考え方次第だ
著者等紹介
石井寛治[イシイカンジ]
1938年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。経済学博士。専攻、日本近代史。現在、東京大学名誉教授、東京経済大学経営学部教授
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感想・レビュー
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ハンギ
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文明開化の時代からメディアについて述べたもの。郵政民営化問題にもつながる問題があった。基本明治期の電信、電話、通信は国営だったけど、郵政に関しては飛脚のコミュニティを吸収しているので、半国営が正しいと思った。ペリーが電信をもたらした、という話は面白かったが、佐久間象山がその前に実験していたと聞いてもっとびっくりした。それと国民が日露戦争講和に怒って打ちこわしをしたのは、情報をねじ曲げて政府は発表を行い、国民感情を焚きつけたのが理由らしいが、その後の日米戦争にも続き、日本は情報に負けたんだなあと思った。2012/04/09
紙魚
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郵便や電信の開業から、情報がどのように扱われてきたかの解説。経済史の学者さんであるので、企業関係の情報取引も述べられているが、官主導だった戦前についても、日露戦争や大東亜戦争を例に、情報統制についても述べられている。少々、漠然とした内容だった気もするが、メディア史とも産業史とも違う一面を見れたと思う。2009/03/10