内容説明
本書は、近代漫画誕生の経過を七つのエピソードで紹介する。
目次
1 幕末諷刺画の誕生とその発展
2 自由民権期の『団団珍聞』
3 『パック』と日本近代漫画
4 「漫画」という言葉の誕生
5 国際漫画雑誌『東京パック』の登場
6 日本最長寿漫画誌『大阪パック』
7 柳瀬正夢の漫画表現の変遷
著者等紹介
清水勲[シミズイサオ]
1939年東京都・大森の旧馬込文士村生まれ。立教大学卒業。専門は日本諷刺画史・漫画文化史・漫画表現史。現在、帝京平成大学・文京女子短期大学で漫画文化史を講義
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感想・レビュー
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富士さん
5
江戸時代末期から明治時代にかけてのマンガ史。アニメ史に興味があるものとすると、下川凹天と幸内純一がマンガ史の文脈から跡付けられたので満足です。本書をはじめ清水さんの研究の意味は、日本のマンガが浮世絵からの伝統を背景にして、直接欧米のマンガを学んで生み出されたことを丁寧に論じていることです。日本のマンガやアニメの歴史を語るにはまず欧米と江戸時代の戯画の歴史を丹念に追うべきで、何百年前の鳥獣戯画から直接結びつけるなど奇をてらったエスノセントリズムでしかなく、まともな研究でないと言っているに等しいと思います。2021/04/20