内容説明
国定忠治は、講談、映画、芝居などで語り継がれています。近世後期の関東農村では、無宿や博徒たちが暗躍し、彼らを取り締まる八州廻りや火附盗賊改の役人たちは、犯罪捜査のために彼らの一部を手先として使用したため、そこには様々な不正が生まれました。改革組合村大惣代の日記を読み解きながら、無宿でありながら民衆のヒーローとして英雄化されていった忠治伝説の形成を、地域社会秩序の動揺と民衆文化の視点から探りたい。
目次
大惣代三右衛門日記を読む
1 八州廻りと改革組合村
2 大惣代三右衛門
3 忠治伝説の形成
4 幕末維新期の激動
民衆が望んだ侠気
著者等紹介
落合延孝[オチアイノブタカ]
1948年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。専攻、日本近世史。現在、群馬大学社会情報学部教授
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