内容説明
太陽は東方彼方の楽土=ニライカナイから昇ってくる。世界に活力をあたえ、そして西の海に沈んだ太陽は、地底を通りぬけて、再びニライカナイから生まれでる。無限に再生を続ける太陽と国王を重ねあわせて王権を神聖化する古琉球の思想を「太陽子思想」という。これまで『おもろさうし』や文献史料で議論されてきた琉球王権と太陽子思想の成立の問題に、グスクと琉球王陵の発掘成果から追ってみる。あらたな切り口で、通説とは異なる琉球王権を論じたい。さらに、海のシルクロードの拠点中国泉州にも議論を広げる。
目次
琉球の王統と王権
1 王都首里と国際交易都市那覇
2 王都首里の原型浦添
3 大型グスクと王のグスク
4 ニライカナイの王宮
5 琉球王陵の変遷
6 英祖王権の成立と太陽子思想の形成
著者等紹介
安里進[アサトススム]
1947年生まれ。琉球大学法文学部史学科卒業。専攻、考古学・琉球史。沖縄県立芸術大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らっそ
5
内容の理解は前回読んだ時とそれほど変わらない。前回読んだのは沖縄旅行の予習だったので、もう3年半も前に行ったのかと驚愕。元の勃興・高麗侵攻と没落などが英祖王権登場に影響したという結び2016/02/07
samandabadra
1
沖縄にある様々な城の発掘からわかる、近代にいたるまでの琉球の王権の特徴。最後、王陵などから出土した王族の骨から、どのような来歴を持った人物かがわかるのは新しい技術。日本、中国の他南方のDNAなどが見られるとのこと。話の最後に1270年代に三別抄が逃げてきて沖縄の王権に影響を与えた話は、瓦の文様の一致から間違いないらしい。こんなところにもモンゴルの影響が2021/03/26
らっそ
1
沖縄旅行の予習。この本の内容は旅行には活かせないような気がする2012/10/08
おとや
1
琉球王国の概要を知りたい人には不適。2009/05/05
陽香
0
20061220