内容説明
出雲は、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が「神々の首都」といい、大国主命などが活躍する神話の舞台として知られている。しかし、その実態は長い間、謎のベールにつつまれていた。本書では、『出雲国風土記』などの文献史料を手がかりとしつつ、わが国最多の青銅器が出土した荒神谷・加茂岩倉両遺跡、巨大神殿跡がみつかった出雲大社境内遺跡など、近年の相次ぐ考古学上の大発見などから、新しい古代出雲像を探ってみる。
目次
唯一完本として伝わる『出雲国風土記』
1 くにびき神話と出雲国の成り立ち
2 雲太といわれた出雲大社
3 山陰道の要衝・出雲国府
4 仏教の広まりと風土記時代の人々の営み
5 共生の北つ海ネットワーク
古代出雲の調査
感想・レビュー
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rbyawa
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f227、出雲というのはどうもかつて(現代)「神話でしかない」「実態は存在しなかった」という扱いを受けていたらしいんですが、大量の銅鐸と銅剣、そして出雲大社の中からもかなり大規模な柱の跡が見付かったらしく、要するに完全に歴史を再構成しなければならなかった! という段階においての再構成の経路をまとめたみたいな本なんでしょうね。ただ、銅剣銅鐸は仕方ないにしろ、出雲大社に痕跡があったんなら、真面目にやってりゃあとっとと見付かってたよね、近畿偏重主義の一環なのかなぁ、という気もしないでもないですが、まだ途中かな。2015/10/30
讃壽鐵朗
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出雲旅行に行く時のいい参考書になった
カラス
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同じリブレットの「弥生の村」もそうだったけど、歴史書というよりも報告書とでも言うべき内容の本で、著者の知識がなんのメリハリもなくただだらだらとたれながされているだけなので、読み通すのが苦痛だった。たまにこういう本見かけるけれど、もう少し頭の中を整理してから書いてほしい。専門書ならこのレベルでもOKだけど、一応一般人向けの本なのだから、もうすこし「本」を書くという高い意識を持ってほしい。正直言ってこの本に関しては感想もなにもなく、年表付きのミニ事典を作った方が良かったのでは?、としか感想が思いつかない。2020/08/14