内容説明
アフリカの大国ナイジェリアにおいて、かつて凄惨な内戦が勃発した。「兄弟たちの戦争」ともいえるこの戦争では、多数の餓死者を含めて、二百万人もの犠牲者を出したといわれている。なにゆえ人類は、お互いの殺戮を繰り返すのであろうか。熱帯の叢林のなかに静かに消えていった兵士たち、地面にしゃがみ込んでこちらを見据えている子供たち、彼らの無言の叫びを忘れてはならない。
目次
1 モザイク状の国家
2 植民地時代の遺産
3 内戦前夜
4 長い長い攻防戦
5 ビアフラの内と外
著者等紹介
室井義雄[ムロイヨシオ]
1950年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。現在、専修大学経済学部国際経済学科教授
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感想・レビュー
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ARIA
0
ナイジェリアにおける国内紛争のお話。今では経済の雄ですが、こんな混乱期があったとは...全く知りませんでした。国際慈善団体の援助が逆に戦争を長引かせ犠牲者を増やすことになるとは...皮肉なものです。2012/12/03
aks74
0
今でこそサブサハラの雄として、一億五千万もの人口を抱え目覚しい経済的発展を遂げるナイジェリアであるが、かつてこの国は二百万もの犠牲者を出した内戦の舞台であった。ビアフラという名が世間から忘れ去られて久しいが、本書はビアフラ戦争についてその歴史的背景、戦争の経過について簡潔に記したものである。独立以前のイギリスの統治、ナイジェリア軍、ビアフラ軍の戦線の推移、両国を取り巻く国際政治の情勢などが客観的に書かれており、ビアフラ戦争がどのような戦争であったのかを知るには短くて読みやすい適当な本であるだろう。2010/11/18