内容説明
ルネサンス文化を考えるには、いろいろな切り口がある。とりわけ見落とされがちな“魔術”から眺めてみると、ヨーロッパには「地中海文化」が存在し、キリスト教とは異なる母性原理、アニミズムの世界観が浮き彫りにされる。父性原理で行き詰まった現代を刷新するのに、母性的ルネサンスの効験は熟考に値する。
目次
1 魔術との出会い
2 魔術とは何か
3 魔術の再生
4 魔女と地獄
著者等紹介
沢井繁男[サワイシゲオ]
1954年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(学術)
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感想・レビュー
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蛇の婿
6
ルネッサンス当時、魔術を嗜んだ人たちについてと魔術についてのあれこれ。いまひとつ何が言いたいのかヨクワカランのは私の読解力が無いせいなのか文章のせいなのか。このあたりの時期の錬金術や魔術が今の化学や薬学の基礎となっているのだと私は思っていたのですけれども、割とそれは間違いで、この時代の考え方はまだまだ哲学寄りだったのだなぁとこれを読んで思いました。天動説だと世界の中心は地獄になって、さらにその地獄の真ん中にいる悪魔の秘所、その性器こそ宇宙の中心、に大爆笑。確かにw2017/05/20
保山ひャン
2
カルダーノ、デッラ・ポルタ、ジョルダーノ・ブルーノ、カンパネッラ、フィチーノ、そしてダンテ。ルネサンスの魔術解説書かと思いきや、自身のことを語りはじめたり。まるで話し言葉を書き起こしたかのような自在なエッセイだった。2015/09/05
chibimao
1
魔術を通してヨーロッパ史を分析する澤井さんの独自の視点が◎月と太陽の文化についても調べたいと思いました。2009/02/12