Historia
ステンカ・ラージン―自由なロシアを求めて

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  • サイズ B6判/ページ数 183p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784634491205
  • NDC分類 238.05
  • Cコード C0022

内容説明

ロシア民謡で私たちにも知られるステンカ・ラージン。あの「ペルシアの姫君」は実在したのか、それともフィクションか。そして何よりもコサックとは一体なにもので、彼らの「自由」とはいかなる背景から生まれたのか。中世の「タタールのくびき」から脱して、ようやく近代へ向かおうとするロシア。その新王朝ロマノフの支配を揺るがしたラージンの反乱の実相を明らかにするとともに、西欧とは異なる道をたどったロシアの歴史と社会の原像を探ることにしよう。

目次

その前夜
自由な人びと
「ドンからは引き渡さない」
ラージンのペルシア遠征
ヴォルガへ
静かなドン

著者等紹介

土肥恒之[ドヒツネユキ]
1947年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

53
中世からの離脱が最も遅れたロシア。救貧は教会に委ねられたが、魂救済は一考されども制度への切り込みは考慮に値しなかった。長く続いた「儀礼こそ命」広大な国土のロシアは中央集権的体質が濃厚。長きに渡りドン川エリアはタタール人が支配しくびきと言う不幸な時代だった。中身には諸説あるらしい。「自由な人々」の意のコサック~放浪の民も意する。そもそもロシアよりの逃亡農民だった彼ら。ツァーリ政府は彼らの移転権を否定し17C末には農奴制としてほぼ確立した様だ。その頃に台頭したステパン。ヴォルガを制し、ペルシア遠征に乗り出す辺2021/02/27

マリリン

46
タイトルが懐かしい! 旋律と共に記憶にある「ステンカ・ラージン」の歌詞は断片的にしか覚えていない。伴奏で歌った記憶がないので山岳部時代知った歌だったのかな。中央政権国家ではあるが広大な国土を統治しきれず歴史に乗り遅れた感もあるロシア。ラージンの生涯とコサックとの関係やタタール人との絡み等、本書を読み、広大な国土を持つ当時の歴史の一端を知ることができた。子供向け文学全集で読んだ記憶がある『静かなドン』岩波文庫は全8巻、再読をしたいが悩ましい。(historia)は他の作品も追ってみたくなる。2022/11/24

yoneyama

13
コサック反乱軍の頭目、ステンカ・ラージンは山岳部の焚き火で歌う人気の曲だった。「久遠に轟くヴォルガの流れ」とか「ドン・コサックの群れに」とか「ペルシャの姫なり、燃えたる唇と」とかイグゾティックなワードに満足していたが、そもそもドンとヴォルガは違う川じゃないか?とか。なぜ最後は悲しむのか?とか深く考えてこなかった。姫は水死したんだ。タタール人のクリミア・ハン国から防衛するためのモスクワ版の万里の長城、トゥーラ線やベルゴロト線そしてヴォローネジは、ロマノフ朝作の防衛都市だったのだ。地名憶えて読んだら理解OK 2022/10/27

蛇の婿

12
うーん、これ表紙に書いてあるひとくさりを読んでから本文を読まないと凄くわかりにくいような気がします。一般向けに書こうとして歴史の背景とか色々なエピソードを入れたのはいいけれど平易な文章書くのは慣れていなくて肝心な事柄まで散漫になってしまったような感じ。勿論私の読解力が貧しいことも、私がロシアの歴史の知識をこの本の読了時点で壊滅的に持っていないことにもきっと原因があるのですがw2015/10/06

Toska

9
ロマノフ朝初期のロシアを揺るがせた大反乱の顛末。指導者ラージンの類まれな個性に加え、農奴制と逃亡農民、コサック、古儀式派、異民族支配など多くの問題を含んでいる。それだけに、本書のボリュームでは不足していたのが残念。そもそもラージンがなぜ対外遠征から明確な反政府闘争へ舵を切ったのか?という肝心な部分がはっきりせず消化不良な感あり。増補版を出してくれれば喜んで読むのだが。2023/11/21

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