内容説明
合理的思想と自然科学が波及し、「光の世紀」と呼ばれたヨーロッパの十八世紀。啓蒙主義の伝播が遅れ、真の「近代的改革」の不在がいわれてきたオーストリアでも、新思潮は確実に浸透しつつあった。啓蒙専制君主ヨーゼフ二世による「都市近代化」が人びとに与えたものは、束の間の残像などでは決してない。それは、都市の社会文化を規定する、根底的変革をもたらしたのだ。「光の世紀」が喚起した、これら社会文化史的変容の諸相を探る。
目次
「光の世紀」と啓蒙専制主義
1 改革の時代と都市の変容
2 新しい都市の文化
3 啓蒙の都市空間
4 近代的都市生活の成立
著者等紹介
山之内克子[ヤマノウチヨシコ]
1963年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程中退。ウィーン大学精神科学部博士課程修了。専攻、オーストリア社会文化史。現在、神戸市外国語大学助教授
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