出版社内容情報
〔バフチンとロシア・アヴァンギャルド〕現代ロシア文学・思想の研究者による二十世紀ロシア文化・思想の知のパノラマ的見取り図の提示であり、現代思想への架橋を試みる論文集。
内容説明
20世紀ロシアの文学・演劇・芸術・言語・思想などさまざまな領域にわたる思考や行動を犀利な目と鋭い感性でつぶさに検証し、現代ソ連文化の成立をみごとなパースペクティヴで描いた気鋭のロシア研究者による最新論文集。
目次
1 バフチン(奪冠ではなく無冠を―バフチン再考;未完のポリフォニー;生きた「言葉」と死せる「言語」―バフチンと「スターリン主義」;キムジハとバフチン―広場の詩学)
2 ロシア・アヴァンギャルド(『爆』第2版のための覚書;ロシア・アヴァンギャルドと民衆文化―メイエルホリドを中心として;サーカスとアヴァンギャルド演劇―ロシアの場合;「虚構」ではなく「事実」を!―トレチヤコフ論序説;ソ連民衆演劇運動の実験―20年代の〈トラム〉をめぐって;民衆的想像力の空間―ロシアの民衆版画をめぐって)
3 記号論・詩学・言語学(ボガトゥイリョフの記号論;「場」の記憶の復権;アヴァンギャルドの記憶―ボガトゥイリョフの民衆演劇論;芸術の記号論に向けて―モスクワ・プラハ時代のヤーコブソン;〈記憶〉のポエチカ―リハチョフについて;イヴァノフの記号論が孕むもの;カザン学派―ボドゥアン・ド・クルトネとソシュール)