感想・レビュー
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きいち
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1958年当時の行政上の「市」域における祭礼と民俗行事を、鹿児島から(沖縄復帰以前だ)北海道まで駆け足で概説する。◇驚かされるのは、編者須藤による注の「現在(82年)は○月○日に行われている」「現在は行われていない」の多さ。収録祭礼には当時の合併で市域となった田園地帯のものが多いため、郊外住宅地化により農事と離れ太陽暦化が進んだこと、自然との断絶によるこの時代の社会変化の大きさを改めて思い知ることができる。◇八幡の製鉄所の起業祭のような新しい行事も、民衆の主体的な参加があると目線が温かいのは宮本ならでは。2016/10/30