出版社内容情報
目次
はじめに
一 庶民のねがい
二 貧しき人びと
王朝の庶民
嫁の座
私有財産
人口問題
出稼ぎ
三 変わりゆく村
土地所有意識
伊勢参り
言語生活
村の民主化
四 山村に生きる
山の生活
米良紀行
芸北紀行
五 村里の教育
郡生活の場
伝承の位置
シツケとあそび
一人まえの完成
文字の教育
六 民話と伝承者
生活規範としての民話
農民の発見を
民話を保持する世界
伝承者の系譜
七 底辺の神々
憑きもの覚え書
残酷な芸術
八 私のふるさと
宮の森
渚にて
故里だより
村の家
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
27
最後に収められた「私のふるさと」が美しい。凪の海、実直な石工が積んだ石垣を洗う波、集落の家々の来歴、ラムネの味。◇文字と伝承についての文章。閉じた世界で生きる限り文字は要らぬ。必要になるのは、外の世界、過去や未来の人たちと対話や交渉をする時。ずっと、「書く」という行為が人と人をヨコへヨコへとつなげていくのはなんでだろう、と思ってきた。宮本しかり、手塚しかり、綴方教育に民俗学、本草学からコミケまで…。そうか、目の前にいない人とのコミュニケートには、ことばの使い方を共有する必要がある、上下なんてなくなるんだ。2015/12/12