出版社内容情報
「公衆と群集」「世論と会話」「犯罪群集と犯罪結社」の三篇を収録。マスコミュニケーションの成立と関連して「公衆」概念を解明した集団論やコミュニケーション論の必読文献。
目次
第1編 公衆と群集(公衆の成立;公衆出現の歴史;公衆と群集の差異;新聞記者の威力;群集の公衆化;公衆と群集の分類;群集と公衆の行動)
第2編 世論と会話(世論;会話)
第3編 犯罪群集と犯罪結社(個人の能力と集団の能力と;組織の程度による集団の分類;集団における指導者の役割;群集と個人;群集と組織集団;犯罪における社会と個人;犯罪における暗示と被暗示;犯罪結社の典型―無政府主義党)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
左手爆弾
4
群集と区別される公衆。タルドの考察で興味深い点は、印刷や新聞、電信といった技術的な媒介によってそれが実現されることを説いたことにある。17世紀以前にも、知的階級で論文や書簡を回し読みすることがあったが、それは知的なものに止まり、多くの人間の感情を揺さぶるものではなかった。新聞の登場によって、多くの人が離れたところでありながら、1つの「現実」を共有し、公衆として動くことが可能になる。現代のインターネット社会では、そうした現実の共有はますます進んでいる。だとすれば・・・・・・と問いたくはなるが。2014/08/11
ふくろう
0
世論の古典。エリート主義的発想、思考は古い。この本の価値は、「世論」の考察が、上から目線の啓蒙思想を基盤としているということを知るためにある。2009/04/24