出版社内容情報
〔国際社会と日本〕原敬の国家構想の全体像を原の発言、日記等を綿密に検証して明らかにし、国際的孤立に陥った状況下で原が切開いた内外政策の展開の歴史的政治的意味を探る。
内容説明
原を、政党人でありながら藩閥勢力と妥協し癒着した政治家であり、一般国民に背をむけた権力政治家のひとりとして消極的に位置づける見解もしばしばみられるが、だいたい前田『原敬伝』いらい、原についての評価は、その政治的手腕によって、日本の政治をそれまでの藩閥権力から政党政治へと展開させた点にポイントがおかれてきた。原をたかく評価するものも批判的な観点をふくむものも、おおくはそのような位置づけはほぼ共通している。本書は、おもに第一次大戦の開始から首相在任中暗殺によって政治活動を終えるまでのあいだの原敬の国家構想の全体像と、それのもつ意味をあきらかにしようとするものである。
目次
第1章 第一次世界大戦期の日本外交と原敬
第2章 原内閣の成立と外交政策の転換
第3章 戦後経営と内政構想