出版社内容情報
氏神信仰こそ日本人の心性を規定している固有の信仰であると考えるに至った柳田の思考過程を検証し、デュルケームとの比較を通して柳田の固有信仰論の意義を思想史的に究明。
内容説明
氏神信仰こそ国民的共同意識を支えている基礎であり、日本人の心性・倫理観を規定している日本固有の信仰であると考えるに至った柳田の思考過程を綿密に検証し、やがて国家神道批判、天皇象徴化の方向へと連関してゆく柳田の氏神信仰論の意義を思想史的に究明する。
目次
第1章 柳田国男における「心意現象」の問題(心意現象論の位置;心意現象と信仰;信仰・倫理・社会―柳田とデュルケーム)
第2章 柳田国男の固有信仰像(神観念の問題;儀礼の問題;氏神信仰と国家神道;柳田国男における山人の問題について;柳田国男におけるハレ・ケ・ケガレ)
第3章 柳田国男の神話論(氏神信仰における神話;神観の原像)