出版社内容情報
〔ドイツ「再」統一とナチズムの「過去」〕「普通のドイツ人」の戦争犯罪を問うたゴールドハーゲン論争を機に、ナチズムを免責するさまざまな議論を明快に整理、分析、批判する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
札幌近現代史研究所(者。自称)
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主に1986年の「(ドイツ)歴史家論争」と96年頃の「ゴールドハーゲン論争」を扱い、ドイツの戦争責任についての専門家の主張の潮流を追った本。作者は歴史修正主義(個人的には「歴史改ざん主義」と表記していきたい)の蔓延を憂い歴史家論争時にはそれに歯止めがかかったのにゴールドハーゲンの著作が出るまでそれがむしろ復活した事に懸念を何度も表明しつつ、専門的見地からは誤謬もあるゴールドハーゲンの著作を一般市民は受け入れドイツ人の罪を認める方向に世論が軌道修正された事を歓迎している。文字数制限の為概要に留めた。2019/08/31