出版社内容情報
ナチ絶滅収容所でのユダヤ人大虐殺の問題をインタビューという方法によって描いた映画『ショアー』の思想的意味を解読し徹底分析した若手思想家たちによる座談会ほかを収録。
内容説明
絶滅収容所の生き残り証言において衝撃的なドキュメンタリー映画『ショアー』が、いまようやく日本にも上陸した。ホロコーストの歴史的意味をヴィヴィッドに受けとめ、アクチュアルに『ショアー』を知るための絶好のガイドブック。
目次
1 徹底討議『ショアー』の衝撃(なぜ、いま『ショアー』か;映画史のなかの『ショアー』;『シンドラーのリスト』の問題点;ヒューマニズムの陥穽 ほか)
2 『ショアー』資料集(ホロコースト、不可能な表象;アウシュヴィッツ解放50周年;記憶の人間性―『ショアー』を見て思う;凍てついた記憶―ホロコーストの証言可能性をめぐって;映画『ショアー』に見る〈状況の演劇〉の現在 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KA
2
「. . . この歌はホロコーストとは何の関係もない、別の戦争の記憶に結びついたものである。この場面でこの歌を用いることはほとんど歴史の偽造に近い. . . ホロコーストを <ユダヤ> という「民族」の「物語」として語ること、スピルバーグはこの誘惑に屈した」──鵜飼哲「ホロコーストの <歌> 」 クロード・ランズマンによる『シンドラーのリスト』批判文である「ホロコースト、不可能な表象」目当てで開いたが、鵜飼先生論文の見事さに唸った。ランズマンには「なんで英語喋ってんねん」って言って欲しかったなぁ。2021/08/21
Arte
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『ショア―』についての哲学者?の対談や、評論を集めた本。何だかよく分からないところも多かったが、ホロコーストはポーランドでは公然で、隠蔽はされておらず、『ショアー』はあとかたがないものを証言することの不可能性を示しているらしい。あと、ノルテは、ホロコーストはクラーク撲滅をやらせないための予防的処置と言ったんだとか。道徳家のハーバーマスが、ヨタを言い出したやつを否定したのがドイツ歴史家論争なのか?(ますます混乱)2023/12/17