叢書・知を究める<br> 「自白」はつくられる―冤罪事件に出会った心理学者

個数:
  • ポイントキャンペーン

叢書・知を究める
「自白」はつくられる―冤罪事件に出会った心理学者

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年05月03日 18時32分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784623079940
  • NDC分類 327.62
  • Cコード C0336

出版社内容情報

40年にわたり冤罪事件に向き合ってきた「心理学者」が被疑者の「渦中の視点」から自白の意味を読み解く途を探る。「心理学者」である著者がはじめて「事件」に出会ったのは、今から40年前、知的障害児施設で溺死体が発見された甲山事件の裁判でのことであった。その後も帝銀事件、名張毒ぶどう酒事件、袴田事件と、様々な「事件」と出会うが、その「事件」たちが簡単には終わらない――。冤罪主張の事件において「心理学者」という名目で、主としてその自白の供述鑑定を行ってきた著者が、被疑者の「渦中の視点」からその自白の意味を読み解く途を探る。





序 章 終わらない「事件」たちとの出会いから

 1 「事件」との最初の出会い

 2 終わらない「事件」たち



 第?部 「事件」を語ることばの世界

第1章 「事件」に迫る心理学を模索して

 1 最初に出会った事件──甲山事件

 2 事の本質は細部に現れる

 3 「ことば」とことばが作り出す「世界」

 4 ことばと現実



第2章 語りの臨場モデル

 1 「事件」を語るということ

 2 供述聴取と記憶の働き

 3 ことばが現実を立ち上げる

 4 許せない判決



 第?部 「自白」の謎に出会う

第3章 冤罪事件の最大の暗部である虚偽自白

 1 自白がネックとなった多くの事件

 2 無実の人が自白に落ちる心理

 3 無実の人が犯行筋書を語る心理

 4 真の自白と虚偽の自白をどう判別するか

 5 確定死刑囚の釈放



第4章 犯人を演じる──「賢いハンス」現象

 1 虚偽の自白がなぜ見抜けないのか

 2 生還できなかった無期懲役囚の事件

 3 ことばの背後にあるコミュニケーション

 4 「賢いハンス」状況から抜け出せない人たち



 第?部 虚偽自白の罠を解く

第5章 虚偽自白の根にある対話

 1 冤罪の争いはことばの争い

 2 自白が無実を明かす

 3 ?*を生み出すことばの世界

 4 ?*はその場の状況の産物

 5 出来事を語る三つの対話タイプと虚偽自白の?*

 6 自白に落ちたのに犯行筋書を語れない



第6章 自白的関係に抱き込まれた語り

 1 70年ものあいだ解けなかった自白の罠

 2 被疑者の「語れなさ」に目をつむる取調官

 3 平沢貞通事件の謎

 4 自白的関係から抜け出す

 5 寡黙な物証と饒舌な自白



第7章 もう一つの虚偽自白──真犯人もまた虚偽の自白に落ちる

 1 真犯人の虚偽自白

 2 「モンスター」になった少年

 3 情動犯罪における事実認定

 4 事実の認定に納得できない犯行者



 第?部 「事実認定学」のために

第8章 日本型「精密司法」の悪弊

 1 「精密司法」は精密か

 2 取調官たちの心理

 3 人間の現象につきあう



第9章 冤罪事件に終わりはない

 1 冤罪にかかわる二つの大ニュース

 2 事実の認定は証拠による



おわりに

浜田 寿美男[ハマダ スミオ]
2017年2月現在奈良女子大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授

内容説明

なぜ“冤罪”という過ちは起こるのか。40年にわたり冤罪事件に向き合ってきた「心理学者」が、被疑者の「渦中の視点」から自白の意味を読み解く途を探る。

目次

終わらない「事件」たちとの出会いから
第1部 「事件」を語ることばの世界(「事件」に迫る心理学を模索して;語りの臨場モデル)
第2部 「自白」の謎に出会う(冤罪事件の最大の暗部である虚偽自白;犯人を演じる―「賢いハンス」現象)
第3部 虚偽自白の罠を解く(虚偽自白の根にある対話;自白的関係に抱き込まれた語り;もう一つの虚偽自白―真犯人もまた虚偽の自白に落ちる)
第4部 「事実認定学」のために(日本型「精密司法」の悪弊;冤罪事件に終わりはない)

著者等紹介

浜田寿美男[ハマダスミオ]
1947年香川県生まれ。1976年京都大学大学院博士課程修了。花園大学社会福祉学部教授、奈良女子大学文学部教授を経て、奈良女子大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だまし売りNo

7
普段から警察の市民に対する権威的な対応に疑問を感じることは多い。警察組織は縦の社会と言われるが、これも警察腐敗の原因の一つと思われる。警察の実態について批判的に関心を持つことが必要である。市民が泣き寝入りさせられていないか厳しくチェックする必要がある。 2018/11/17

だまし売りNo

4
浜田寿美男『「自白」はつくられる 冤罪事件に出会った心理学者』(ミネルヴァ書房、2017年)は日本の警察や検察の自白強要によって冤罪が生まれる実態を明らかにする書籍である。甲山事件、帝銀事件、袴田事件など冤罪が主張されている事件を取り上げる。著者は心理学者として自白の供述鑑定を行ってきた。 2018/11/29

aochama

1
虚偽自白に陥る心理的構造を分析するだけではなく、捜査手法の問題点、調書作成が都合よくなされること、それを疑わない裁判官、背景となっている精密司法への過剰なまでの信仰と脅威的な有罪率の呪縛という日本の刑事司法の闇を鋭く指摘します。 本当に悪い輩はいますので、厳しいアプローチは必要と思いますが、自白を極度に信用しすぎず、無知の暴露があった場合は慎重に取り組む余裕を持つ文化を作る必要を感じますね。 今も問題となっている痴漢冤罪も同じ構図があると思わざるをえません。2017/08/17

とろんぶ

0
冤罪事件に関して虚偽自白を分析した本。 参考になったのは,出来事を語る3つのタイプとして, Ⅰ:共同の語り,Ⅱ:聴取の語り,Ⅲ:伝聞の語り(噂話)を挙げ,虚偽自白をⅢに分類することでその危険性を述べていた部分。 実際の事件を題材にしているものの,データや実験といったエビデンスによって構成されていないため,エッセーとしてしか読めないが,今後冤罪を考えるうえで参考になる本ではある。2017/05/28

ねり梅

0
繰り返し自白してしまうとどうしようもないという話が出てくる。でも、自白をせざるをえなくなる状況もわかる。自白を読み解くという筆者の手法が実際の裁判でも使って貰えるようになってほしい。つくづく、元厚労相官僚の村木厚子さんはすごい人だなぁと思った。2023/07/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11561412
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。