内容説明
農村地域、島嶼部等の「地方」は社会的に排除されやすいがゆえに、他に比べてより強い社会福祉ニーズが生じやすい「福祉の先進地域」であるが、社会福祉学等において等閑視されているのが現状である。本書はこの点を踏まえ「地方」に着目し、近代から戦後までの日本キリスト教社会福祉の歴史を分析したものである。実践者の視線から史実を確認することで、信仰を源泉とする実践の構造を解明し社会福祉の根源を問い直した一冊。
目次
キリスト教社会福祉実践史
第1部 社会事業の発展におけるキリスト教の役割(キリスト教による社会事業思想の受容と展開;キリスト教社会事業と渋沢栄一 ほか)
第2部 カトリック社会事業の発展(戦前におけるカトリック系セツルメントの展開;近代社会の形成と医療活動 ほか)
第3部 農村地域における実践(昭和恐慌下におけるキリスト教と農村社会事業;一九三四年東北凶作における救世軍による婦女売買防止運動 ほか)
第4部 キリスト教社会福祉を支えた人物と思想(アキスリング―宣教活動と社会事業;賀川豊彦―優生的言説と実践との関係 ほか)
著者等紹介
杉山博昭[スギヤマヒロアキ]
1962年生。1987年日本福祉大学大学院修士課程修了。博士(学術・福祉)。現在、ノートルダム清心女子大学人間生活学部・キリスト教文化研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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