内容説明
台湾は、東アジアのなかで最もアメリカ型のソーシャルワークの積極的導入を試みており、日本にとって学ぶべきものがあるといえる。また、多民族社会であり東南アジアから多くの移民を受け入れている台湾での社会福祉実践は、今後の日本の社会福祉のあり方を展望する上で多くの示唆を与えてくれるものともいえる。本書は、歴史・思想、制度・政策、実践・方法という三つの枠組みを基に台湾の社会福祉を分析し、その本質に迫ったものである。著者の綿密な現地調査を基にまとめられた一冊。
目次
台湾「社会福利」への新しい視座
第1部 歴史編―台湾「社会福利」のルーツを探る(台湾「社会福利」通史―清領有、日本統治の時代と戦後独裁から民主化の進展へ;日本人による「私設社会事業」の展開―「セッツルメント人類之家」創設者・稲垣藤兵衛;台湾人による「私設社会事業」の展開―「台北愛愛寮」創設者・施乾)
第2部 制度編―少子高齢化と社会福祉政策(先鋭化する家族・地域問題―人口減少社会と新しい次世代育成対策;「シルバー・マーケット」推奨政策とシニア・タウンの拡大;新移民女性とDV問題)
第3部 実践編―変貌する家族と地域への支援(「幼児教育及照顧法」の制定と「幼托整合」実践の推進;高まる「社会工作師」の需要;台湾の介護を担う東南アジアからの出稼ぎ労働者たち)
台湾「社会福利」とは何だろうか
著者等紹介
宮本義信[ミヤモトヨシノブ]
1951年生まれ。1978年同志社大学大学院文学研究科社会福祉学専攻修士課程修了。現在、同志社女子大学生活科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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