内容説明
エスピング‐アンダーセンの社会民主主義、保守主義、自由主義の三類型論を見直し、新たに家族主義を含む四類型論を提起する。それとともに、福祉国家論から福祉レジーム論へと視座を移行させることによって、本書は、欧米、アジア諸国にとどまらず、ラテンアメリカ、東欧の福祉レジームをも射程に収め、21世紀型のポスト福祉国家レジームを展望する試みである。
目次
福祉レジーム論の視角
日韓台の家族主義レジームの多様性
後発的福祉国家スペインの失われた改革
イタリアの家族主義的福祉レジームの揺らぎ
保守主義レジームから変化するドイツ
ポスト保守主義レジーム・オランダの可能性
保守主義レジーム・フランスの状況
自由主義レジーム・アメリカの医療保険・年金・公的扶助
賃金稼得者モデルから転換するオーストラリア
イギリス「自由主義」レジームの変容と持続
社会民主主義レジーム・スウェーデンの所得保障と社会サービス
保守主義+インフォーマルセクターのアルゼンチン福祉レジーム
岐路に立つ「新しいブラジル」の福祉レジーム
分断化された社会におけるメキシコ福祉レジーム
ポスト社会主義国ポーランドの福祉レジーム
体制転換後のエストニアの福祉レジーム
変容する旧社会主義国ハンガリーの福祉レジーム
チェコにおけるポスト社会主義のハイブリッド福祉レジーム
著者等紹介
新川敏光[シンカワトシミツ]
1956年生まれ。1990年トロント大学大学院政治学研究科博士課程修了(Ph.D.)。現在、京都大学公共政策・法学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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