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内容説明
「国体」に反するすべての思想は「絞殺」されると、北一輝は書いた。実際、「国体」は近代日本社会を金縛りにした言葉だった。治安維持法や天皇機関説事件も、国体論というタブーに触れることを禁じた。終戦時に昭和天皇と統治エリートが最後まで執着したのは「国体護持」であり、無条件降伏だったのに「国体は護持できた」と言い張った。一体、国体論とは何だったのか。思想としての国体論が誕生する現場に立って考察する。
目次
序章 国体論という磁場(国体論とは何だったのか;本書の課題)
第1章 「国体」の発見(「国体」とは何か;「国体」の発見;ペリー来航と構造的磁場の形成 ほか)
第2章 神々の欲望と秩序―幕末国学の国体論(本居宣長が残したもの;秩序への模索―冨士谷御杖と平田篤胤;幕末期の国学 ほか)
第3章 「地球上絶無稀有ノ国体」を護持するために―岩倉具視の構想(なぜ岩倉具視なのか;王政復古への道;立憲制にむかって ほか)
第4章 自由民権運動と明治初期の言論空間(自由民権運動と国体論;新しい政治意識―「安民」から「幸福」へ;“読む”人々と“演説”する人々 ほか)
第5章 歴史認識をめぐる抗争―明治二〇年代の国体論(国民的記憶と国体論;久米邦武「神道祭天古俗」事件;開国をめぐる論戦―『開国始末』とその批判 ほか)
第6章 裕仁皇太子の台湾行啓―「一視同仁」の演出(行啓をどのように読み解くか;台湾統治の構造と田健治郎;摂政・皇太子裕仁の台湾行啓 ほか)
著者等紹介
米原謙[ヨネハラケン]
1948年徳島市生まれ。1980年大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。下関市立大学経済学部講師・助教授、大阪大学教養部助教授、同大学院国際公共政策研究科教授などを歴任し、2013年定年退職。パリ第四大学(フランス政府給費留学生)、東京大学法学部(文部省内地研究員)、パリ政治学院(客員研究員)、北京外国語大学日本学研究中心(派遣教授)、国立成功大学(招聘教授)、国立政治大学(客座教授)などで研究・教育に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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