現代社会政策のフロンティア
介護はいかにして「労働」となったのか―制度としての承認と評価のメカニズム

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  • サイズ A5判/ページ数 351p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623071517
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C3333

内容説明

介護保険制度は、介護をいかなる労働として可視化し、介護の社会的評価にいかなる貢献と課題をもたらしたのか。本書では、訪問介護の領域を検討範囲としつつ、制度創設以前の展開を含めた通史的観点から批判的に検証を行う。「介護の社会化」の功罪を「労働としての介護」という地平から社会学的に相対化することにより、介護労働の新たなパラダイム構築を展望する。

目次

第1部 「介護の労働化」を問う視点と方法論(労働/ワークとしてのケアの分析概念化の展開;日本における「介護の労働化」を問う視点)
第2部 介護保険制度以前―1970年代~90年代後半(在宅介護労働の制度化過程における公的言説空間;「参加型」福祉社会における在宅介護労働の認知構造)
第3部 介護保険制度の構想・開始段階―1990年代末~2000年代初頭(「介護の社会化」の問題構制;介護報酬を通じた労働評価の枠組み;訪問介護労働の制度規範)
第4部 介護保険制度の再編段階―2000年代半ば以降(「再編期」の介護給付パフォーマンス;「公的供給に値するケア」の変容;地位包括ケアに向けた労働実践の可能性と課題;「労働としての介護」の制度化に伴う課題)

著者等紹介

森川美絵[モリカワミエ]
1972年生まれ。2000年東京大学大学院総合文化研究科単位取得満期退学。東京都立大学助手を経て現在、国立保健医療科学院特命上席主任研究官。専門は福祉社会学・福祉政策・サービス評価(介護・ケア、貧困低所得者・女性の保護支援、ジェンダー)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゆう。

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介護保険制度は、介護をいかなる労働として可視化し、社会的評価をあたえているのか、歴史的な視点から批判的に分析された研究書です。著者は、介護保険制度のシステムは、介護を労働化するにあたり「主婦化した経済評価」をすべり込ませたと指摘します。そのため、社会的評価は低いわけです。同時に、地域資源として地域生活の継続を支える関係性を引き受けながら介護を担う面の切り捨てもあるとしています。そして、福祉多元化を新しい形で作り上げていく必要性を問うています。介護を労働として捉えるうえで、意欲的な研究書だと思います。2015/07/12

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