内容説明
西田幾多郎(一八七〇~一九四五)哲学者。京都学派の祖。明治期の青年の意気に燃えつつも、落伍者の悲哀をなめ続けた人生の前段。京都帝国大学の哲学講座で思索に沈潜した大正期の、人生の中段。学問的名声に包まれ、しかし家庭では悲惨に見舞われ続けた昭和期の、人生の後段。再婚で癒されつつも、太平洋戦争の空襲下に絶命した晩年。本書はこの西田の人生と時代の全貌を描き切る。
目次
序章 「われ死なば…」
第1章 黒板を前にして―一八七〇‐一九一〇(人生軌跡「小生には尚一片の脊梁骨あり」;思想と時代―明治の勃興と「純粋経験」の思索)
第2章 黒板を後にして―一九一〇‐一九二八(人生軌跡「我は今深き己の奥底にあり」;思想と時代―大正の憂鬱と「場所」の開け)
第3章 黒板を去って(上)―一九二八‐一九三六(人生軌跡「交通巡査ピリピリオヂーチャンスルノデナイ」;思想と時代―昭和の暗雲と「弁証法的一般者」の思想)
第4章 黒板を去って(下)―一九三六‐一九四五(人生軌跡「ぶつかるまで何処までも」;思想と時代―昭和の破局と「矛盾的自己同一」の弁証法)
終章 「本当の日本はこれからと存じます」―一九四五‐
付論 欧米言語圏での西田哲学研究
著者等紹介
大橋良介[オオハシリョウスケ]
1944年京都市生まれ。1969年京都大学文学部卒業。1973年ミュンヘン大学哲学部博士課程修了。1983年ヴュルツブルク大学哲学教授資格(Habil.phil.)取得。1990年シーボルト賞受賞。京都工芸繊維大学工芸学部教授、大阪大学大学院文学研究科教授、龍谷大学文学部教授、ケルン大学Morphomata講座初代フェロー、ウイーン大学客員教授、ヒルデスハイム大学客員教授等を経て、現在、ケルン大学哲学科代行教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ブルーツ・リー
rbyawa