内容説明
「格差社会」という言葉が使われるようになってから十数年が経過し、国民の主要な関心事の一つとなっている。そして政策面においてもこれを是正するために改革が実施されたが、どれだけ有効性を持っているのだろうか。本書では、気鋭の執筆陣が実証データをもとに「格差」に関して様々な角度からアプローチし、現状と課題をあぶりだし、今後取るべき対策を論じる。
目次
総論 格差をどう考えるか
第1章 地域間格差―地域住民の生活意識と地域移動
第2章 隠れる女性の見えない貧困―ワーキングプアと福祉施設で暮らす女性たち
第3章 子どもの格差―生まれた時から背負う不利
第4章 働き方による格差―パートタイム労働を中心に
第5章 外国人対日本人―欠員補充型受入れと格差・貧困
第6章 障害者と格差社会―複合差別と排除
第7章 若年者の格差―就職環境の変化と政策的対応
第8章 高齢期における所得格差と貧困―脆弱なセーフティネットと勤労所得への依存
著者等紹介
橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
1943年生まれ。1967年小樽商科大学商学部卒業。1969年大阪大学大学院修士課程修了。1973年ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。仏米英独での研究職・教育職を経て京都大学教授。現在、同志社大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
32
このシリーズはわかりやすい。取り敢えず阿部彩さんの「子どもの格差」を読む。2016/05/23
壱萬弐仟縁
5
facebookを通じて某中学生から、「格差社会は差別用語ですか?」といい質問を得た(池上彰先生風に回答した w)。で、評者はそうですね、と是認した。病気や空腹、貧困で苦しんでいる人を見捨てる社会は差別そのものだから。いい意味での格は、宮本憲一先生が都市格ということばを用いたことがある。これはまちづくりの格を指すが、今は格というのは品格の格も問われる。格差では貧しさが蔓延する社会をして品格のない世の中ではないかと思うようになった。東京一極集中は是正策が問われる。家無し、非正規、障がいというハンディ是正を。2013/04/06
marukuso
0
格差社会という言葉は人口に膾炙した。この本はいくつかの切り口から格差社会の問題点を簡潔に論じている。女性、障碍者、高齢者、若者、外国人など視点とデータが抱負な所がよい。この手のテーマの本はかなり読んできたけど、手頃に網羅できる一冊だった。2013/03/11