内容説明
マーシャル、ピグーを中心とするケンブリッジ学派、ラスキン、ホブソンを中心とするオックスフォード派が展開した創設期の厚生経済学と福祉国家論、センに連なる非厚生主義的基礎の歴史的な解明。そして、ケインズ、ベヴァリッジによる完全雇用・社会保障構想の実態を、国際共同研究の成果をもとに解き明かす試みである。
目次
創設期における厚生経済学の多様性―厚生経済学史の再解釈に向けて
第1部 ケンブリッジ学派の厚生経済学と福祉国家(シジウィックとケンブリッジ学派の誕生;マーシャルにおける厚生経済学と福祉国家;マーシャルにおける経済進歩と福祉国家・福祉社会;ピグーの道徳哲学と厚生経済学;ピグー厚生経済学の形成と展開―福祉経済論の古典として;誰のための福祉国家?―ベヴァリッジ対ケインズ)
第2部 オックスフォード派の厚生経済学と福祉国家(福祉国家の哲学的基礎―オックスフォード・アプローチ;福祉経済学者としてのJ.A.ホブソン;リベラル・リフォームの経済思想―J.A.ホブソンとJ.M.ロバートソン;ウェッブ夫妻のナショナル・ミニマム論―経済思想史上の位置;ベヴァリッジの福祉社会論―社会保障・完全雇用・市民社会)
規範的経済学の「非厚生主義」的・「非帰結主義」的基礎―ピグー、ヒックス、センを係留する連結環はなにか
著者等紹介
西沢保[ニシザワタモツ]
1950年生まれ。1983年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得。2008年経済学博士(一橋大学)。現在、一橋大学経済研究所教授
小峯敦[コミネアツシ]
1965年生まれ。1994年一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。2011年経済学博士(一橋大学)。現在、龍谷大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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