内容説明
経済学数百年の歴史の中で、理想となる「良き社会」と経済システムとの両立に苦慮した思想家たち―スミス、マルサス、ハイエク、ブレア、高田保馬等―の言説を、貧困・福祉という観点から再検討し、「富とは何か」「幸福とは何か」という古くて新しい課題を現代的視点から再検討した1冊。
目次
なぜ経済思想から見た福祉なのか
第1部 資本主義勃興期の経済思想(アダム・スミスにおける貧困と福祉の思想―高賃金の経済と国家の政策責任;マルサスの救貧思想―一時的救済の原理と実際的根拠;マルクスにおける国家論と社会政策―資本の機能的要請と階級的関係とを踏まえて)
第2部 福祉国家をめぐる経済思想(1910‐1920年代における福祉の経済思想―社会と経済の分離・包含・併存;家族手当をめぐる1920年代の多様な構想―フェミニズム・標準家族・非標準家族;ハイエクの福祉国家批判と理想的制度論―自由な市場秩序の前提条件;ブレア新労働党の社会経済思想―公平と効率の調和と社会的排除概念)
第3部 近現代日本の経済思想(太宰春台と中井竹山の「経済」思想―江戸期の「厚生」と社倉・「固寧」;高田保馬の貧困論―貧乏・人口・民族)
著者等紹介
小峯敦[コミネアツシ]
1965年生まれ、一橋大学大学院経済学研究科・博士後期課程単位取得退学。現在、龍谷大学経済学部・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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