内容説明
「格差」「無業」「非正規雇用」「長時間労働」を手がかりに混迷をきわめた2000年代の労働市場の実態を明らかにする。
目次
第1章 格差とは何だったのか
第2章 溶けない氷河―労働市場の世代効果
第3章 失望と貧困のニート―若年無業の経済学的再検討
第4章 非正規雇用からの脱出―1年たたずに辞めないということ
第5章 二重労働市場論へのオマージュ―内部化する非正規就業
第6章 正社員になった非正社員―内部化と転職の先にあるもの
第7章 即戦力化の背後で―分配問題としての長時間労働
第8章 少子化・もう一つの背景―就業二極化と性行動
第9章 学校での職業教育―キャリアについて学ぶ意味
著者等紹介
玄田有史[ゲンダユウジ]
1964年島根県生まれ。1988年東京大学経済学部卒業。1992年東京大学大学院経済学研究科第2種博士課程退学。その後、学習院大学経済学部教授を経て、東京大学社会科学研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Moloko
2
亡くなった経済学者の石川経夫氏の問題意識を引き継いだ弟子に当たる作者が、二重労働市場や非正規労働者の正社員化と勤続年数の関係やキャリア教育と仕事のやりがいの相関などを、統計やアンケートの調査データに基づいて実証的に研究した成果群を一冊の本に纏めたもの。データが2000年代前半までで古く、学術的な側面が強いが、それらの章ごとの含意はたいへん面白い。2016/12/23
最終バック九番手
2
低学歴者を多く含む生活困難者についての論文集の表紙に東大の校舎と銀杏の写真を使うセンスがよくわからない…初版第1刷発行:2010年2月25日…本体3500円2010/08/23
takao
1
ふむ2022/09/11
saku_taka
0
流し読みですが。著者と編集者とのやり取り,および石川先生とのやり取りが面白い。2011/04/07
ブルーローズ
0
副題がこの本を物語る。論文集なので、要旨は各論文の最初を読めばわかる。(論文には必要な検証がその後に続く)参考文献をさらに追うもよし、コラムで石川先生を思うもよし。企業が行った部分最適が現在の労働市場の疲弊をさまざまな面でもたらしていることが提示されている。2010/11/18